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 『どらごにっく★あわー!〜竜を退治するだけの簡単なお仕事です〜』の世界について
 
ドラゴンの出現
 
◆ 1
 
 ドラゴンが侵攻を開始したのは、西暦1999年夏だと言われています。
 
 南極エレバス山に出現した巨大な未確認飛行物体は、各国の観測基地を次々と襲撃し、焼き払いました。
 奇跡的に生き残った観測隊員たちが、基地を破壊したのは“あの伝説上のドラゴン”に間違いないと口々に証言しましたが、当時の各国上層部はこれを過激派によるテロと断定、生存者たちの証言を黙殺してしまいました。
 
 その3年後、血に飢えたドラゴンの大群がオーストラリアに襲来するまで、世界中の人々は、その脅威を知る機会を持ちえませんでした。
 
◆ 2
 
 圧倒的なパワーを誇り、高度な知能を持つドラゴンたちとの戦いは、当初、人類にとって絶望的なものでした。
 
 しかし、竜殺しの英雄を祖先に持ち、自らも“トリガー”と呼ばれる武器でドラゴンを狩る現代の英雄“ベオウルフ”たちが現れたことによって、戦況は次第に好転し始めます。
 
 それまで、国連の専門機関【UNDEO(United Nations Dragon Exploitation Organization=国際連合竜開発機関)】の指揮下で苦戦を強いられてきた国連平和維持軍はベオウルフという味方を得て、ドラゴンの制圧下に置かれていた複数の主要地域を解放しました。
 
 一方、ベオウルフたちも独自に組織化を進行し、主義主張や目的を共にする同志を集って【ユニオン】を創設。
 世界各地で個性豊かなユニオンが誕生し、ベオウルフたちが効率よく安全にドラゴンを狩る手段を確立するにつれ、ドラゴン問題に関わるイニシアチブは次第にベオウルフたちへ移っていきました。
 
◆ 3
 
 2009年現在、ドラゴン問題に関するイニシアチブは、すべてのユニオンを統括する「世界英雄協会(World Beowulf Association)」が握っています。
 
 人々の暮らしは、すべて侵攻以前のまま――とはいきませんが、ドラゴンに制圧されていない地域では、特に不自由はありません。
 
 しかし、最前線では今この瞬間にも、ドラゴンの制圧地域を解放するための熾烈な攻防が続いており、戦闘は厳しさを増す一方です。
 
 人々は、この戦況を劇的に覆す真の英雄の登場を待ち望んでいます。
 
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